クレアチン補給と睡眠不足が認知・精神運動パフォーマンス、気分状態、カテコールアミン・コルチゾール血中濃度に及ぼす影響
Effect of creatine supplementation and sleep deprivation, with mild exercise, on cognitive and psychomotor performance, mood state, and plasma concentrations of catecholamines and cortisol
Summary
要約
クレアチン20g/日(5g×4回)を7日間摂取した群は、24時間の睡眠不足の後、ランダム運動生成課題・選択反応時間・静的バランス・気分状態のいずれでも、開始時からの変化がプラセボ群より有意に小さかった。血漿カテコールアミンとコルチゾールの濃度に群間差はない。
Study Attributes
研究属性
| 研究タイプ | RCT(ランダム化比較試験) |
|---|---|
| サンプルサイズ | 19名 |
| 期間 | 7日間(事前負荷)+ 24時間睡眠不足プロトコル |
| 対象集団 | 健常成人(クレアチン群10人・プラセボ群9人) |
| 発表年 | 2006 |
| DOI | 10.1007/s00213-005-0269-z |
| リンク | https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16416332/ |
Key Findings
主要知見
- 24時間後、ランダム運動生成課題・選択反応時間・静的バランス・気分状態のいずれでも、開始時からの変化がクレアチン群で有意に小さい
- 血漿カテコールアミン・コルチゾールの濃度に群間差はない
- ノルエピネフリンとドーパミンは24時間後に0時間より有意に高く、コルチゾールは低い
- 著者らは、前頭前皮質に強い負荷がかかる課題と気分状態に効果があったと結論している
Limitations
研究の限界
- サンプルサイズが小さい(クレアチン群10人・プラセボ群9人)
- 事前負荷は5gを1日4回・7日間で、日常的な用量より高い
- 高用量ローディングプロトコルであり、長期低用量投与での効果は未検証
- 実際の生活環境(部分的睡眠不足)での再現性は未確認
研究の位置付け
クレアチンが脳のエネルギー代謝を支えることで、睡眠不足時の認知機能低下を緩衝するという仮説を検証した初期の重要なRCTです。筋力増強目的での利用が主流だったクレアチンの「認知機能サポート」への応用研究の先駆けとなりました。
認知領域でのクレアチン研究の広がり
本研究以降、Rae et al.(2003)の菜食者を対象とした認知機能研究と合わせて、クレアチンの脳機能への効果は注目を集めています。特にストレス条件下(睡眠不足、高地、精神的疲労)で効果が発揮されやすいことが複数の研究で示唆されており、デスクワーカーにも関連性の高いエビデンスとなっています。