漢方

補中益気湯

Hochu-ekki-to / Bu Zhong Yi Qi Tang

Overall Evidence B ConditionRecovery

Related Concerns

関連する課題

慢性疲労

日中の倦怠感・疲れが抜けない

免疫

風邪をひきやすい・回復が遅い

Suggested Benefits

研究で示唆されている作用

  • 気虚(エネルギー不足)に伴う疲労の改善 B

    関連研究: 18件

    術後・がん化学療法中の倦怠感軽減が複数の臨床研究で報告

  • 免疫機能の調整 B

    関連研究: 10件

    NK細胞活性の回復や感染症予防効果が示唆されている

概要

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は、金元四大家のひとりである李東垣が13世紀に創方した代表的な「補気剤」です。人参・黄耆・白朮・甘草など10種の生薬で構成され、「中(脾胃=消化器系)を補い、気を益す」という名のとおり、体力低下・慢性疲労に広く用いられてきました。

日本では医療用漢方製剤として保険適用があり、ツムラ・クラシエなどから処方薬として入手できます。市販のOTC漢方薬としても販売されています。

漢方的な適応

漢方医学では「気虚」と呼ばれる状態、つまり体を動かすエネルギーそのものが不足している状態に用いられます。具体的には慢性的な倦怠感、食欲不振、夏バテ、病後の体力回復、感染症を繰り返すといった状態が適応とされます。

「虚証」(体力があまりなく、疲れやすいタイプ)に向く処方であり、元気いっぱいの「実証」の方には向きません。

研究で示唆されている作用

がん化学療法中の倦怠感軽減、術後の回復促進、高齢者のNK細胞活性回復などが臨床研究で報告されています。COPDの急性増悪予防に関する報告もあり、免疫調整作用のメカニズム解明が進んでいます。

日本では「漢方エビデンスレポート」プロジェクトで複数のエビデンスが整理されており、科学的根拠に基づく漢方の代表格とされています。

注意事項

  • 医療用漢方製剤は医師の処方で保険適用となります。慢性疲労が強い場合は医療機関で相談することを推奨します
  • 甘草を含むため、長期服用では偽アルドステロン症(低カリウム血症・高血圧・浮腫)に注意が必要です
  • 利尿薬を服用中の方は電解質異常のリスクが上がるため、医師・薬剤師に相談してください

本ページの情報は一般的な情報提供を目的とするものであり、医学的アドバイスではありません。持病のある方・服薬中の方は、必ず医師・薬剤師にご相談ください。

Recommended Intake

推奨摂取量

出典医療用漢方では1日7.5g(エキス顆粒)を2-3回に分けて服用。市販品は製品の用法に従う

Interactions

相互作用

相手種別内容
甘草含有の他の漢方薬 注意 甘草の過剰摂取で偽アルドステロン症のリスクが上がる
利尿薬 注意 低カリウム血症のリスクが増強する可能性
ループ利尿薬・チアジド系利尿薬 注意 甘草との相互作用で電解質異常が生じやすくなる

Precautions

注意事項

一般的な注意

  • 医療用漢方製剤は医師の処方により保険適用で入手可能
  • 甘草含有のため、偽アルドステロン症(低カリウム血症・浮腫・高血圧)に注意
  • 他の甘草含有漢方との併用時は甘草の総量に留意する
  • 胃腸が極端に弱い方は少量から開始が望ましい

禁忌

  • 低カリウム血症の方は甘草の影響で悪化する可能性

References

参考ソース