漢方
補中益気湯
Hochu-ekki-to / Bu Zhong Yi Qi Tang
Related Concerns
関連する課題
慢性疲労
日中の倦怠感・疲れが抜けない
免疫
風邪をひきやすい・回復が遅い
Suggested Benefits
研究で示唆されている作用
- 気虚(エネルギー不足)に伴う疲労の改善 B
術後・がん化学療法中の倦怠感軽減が複数の臨床研究で報告
- 免疫機能の調整 B
NK細胞活性の回復や感染症予防効果が示唆されている
概要
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は、金元四大家のひとりである李東垣が13世紀に創方した代表的な「補気剤」です。人参・黄耆・白朮・甘草など10種の生薬で構成され、「中(脾胃=消化器系)を補い、気を益す」という名のとおり、体力低下・慢性疲労に広く用いられてきました。
日本では医療用漢方製剤として保険適用があり、ツムラ・クラシエなどから処方薬として入手できます。市販のOTC漢方薬としても販売されています。
漢方的な適応
漢方医学では「気虚」と呼ばれる状態、つまり体を動かすエネルギーそのものが不足している状態に用いられます。具体的には慢性的な倦怠感、食欲不振、夏バテ、病後の体力回復、感染症を繰り返すといった状態が適応とされます。
「虚証」(体力があまりなく、疲れやすいタイプ)に向く処方であり、元気いっぱいの「実証」の方には向きません。
研究で示唆されている作用
がん化学療法中の倦怠感軽減、術後の回復促進、高齢者のNK細胞活性回復などが臨床研究で報告されています。COPDの急性増悪予防に関する報告もあり、免疫調整作用のメカニズム解明が進んでいます。
日本では「漢方エビデンスレポート」プロジェクトで複数のエビデンスが整理されており、科学的根拠に基づく漢方の代表格とされています。
注意事項
- 医療用漢方製剤は医師の処方で保険適用となります。慢性疲労が強い場合は医療機関で相談することを推奨します
- 甘草を含むため、長期服用では偽アルドステロン症(低カリウム血症・高血圧・浮腫)に注意が必要です
- 利尿薬を服用中の方は電解質異常のリスクが上がるため、医師・薬剤師に相談してください
本ページの情報は一般的な情報提供を目的とするものであり、医学的アドバイスではありません。持病のある方・服薬中の方は、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
Recommended Intake
推奨摂取量
| 出典 | 医療用漢方では1日7.5g(エキス顆粒)を2-3回に分けて服用。市販品は製品の用法に従う |
|---|
Interactions
相互作用
| 相手 | 種別 | 内容 |
|---|---|---|
| 甘草含有の他の漢方薬 | 注意 | 甘草の過剰摂取で偽アルドステロン症のリスクが上がる |
| 利尿薬 | 注意 | 低カリウム血症のリスクが増強する可能性 |
| ループ利尿薬・チアジド系利尿薬 | 注意 | 甘草との相互作用で電解質異常が生じやすくなる |
Precautions
注意事項
一般的な注意
- 医療用漢方製剤は医師の処方により保険適用で入手可能
- 甘草含有のため、偽アルドステロン症(低カリウム血症・浮腫・高血圧)に注意
- 他の甘草含有漢方との併用時は甘草の総量に留意する
- 胃腸が極端に弱い方は少量から開始が望ましい
禁忌
- 低カリウム血症の方は甘草の影響で悪化する可能性
References